バッハ無伴奏チェロ組曲を聴こう!

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バッハ無伴奏チェロ組曲は、時代のチェロ名手が挑む、一つの到達点。そのため素晴らしい演奏が多数あり、初心者はどれを聴こうか迷ってしまいます。

私は楽器も弾けないし、クラシックに造詣が深いわけでもありませんが、昔からチェロの音色が大好きで、時々思い出したようにポツポツとバッハ無伴奏チェロ組曲のアルバムを買ってきました。ふと気がついたら大分増えていたので、私と同じクラシック初心者の方向けに、それぞれ数行でご紹介してみます(なんて大胆な!)。ひとこと言いたくなる方もいらっしゃると思いますが、私の主観なのでご容赦を。以下は何かのランキングやCD比較ではなく、単に私の好きな順です。時々変わりますけどね。

※ジャケット写真をクリックすると、Amazonにジャンプして他の方のレビューが読めます。

ヨーヨー・マ Yo-Yo Ma 1998

ピュアかつシンプル。それなのになぜか雄大な構造が目に浮かぶ。この組曲に真摯に対峙する領域を超え、自分のものにした上で皆に発露している、そんな印象。何が違うのか不思議。ただただ素晴らしいと思います。

ビルスマ Anner Bylsma 1972

徹底したオリジナル楽譜研究に基づく古楽スタイルの基準点。独特の繊細さがあっても古さはなし。確固としたポリシーがあるからでしょう。一聴の価値あり。

イッサーリス Steven Isserlis 2007

柔らかくナチュラルな音色。解釈も演奏も確かで素晴らしい。2000年代の新たな基準と言っていいのではないでしょうか。静かな秋の夜にマッチする雰囲気です。

ケラス Jean-Guihen Queyras 2007

ふんわり典雅。明るく優しい空気に包まれる。この組曲でこの雰囲気を持つ演奏は非常に珍しいと思います。スイート・バッハですが、演奏自体に甘さはありません。

ロストロポーヴィチ Mstislav Rostropovich 1995

軽快な曲運びと、響きあう重音のバランスが心地良い。アルバムの1,2曲目あたりまでを聞いていると蒸気機関車を思い浮かべるのは私だけか?

ビルスマ Anner Bylsma 1992

1972年の古楽スタイルとはうって変わって伸びやかな演奏。No.1 Preludeのゆったりした出だしがそれを予感させる。ビルスマの解釈とチェロ名器の豊かな響きが相まって、天上の組曲と言った感じかな?

ワトキン David Watkin 2015

豊かに荘厳に響き渡る低音弦。響き過ぎという気がしないでもないが、教会での録音だからね。教会の響きが好きな方には一番かも。録音・音質も素晴らしいですね。ハイレゾダウンロードもあります。他の演奏とは雰囲気がだいぶ違うので、聴いてみることをお勧めします。

ヨーヨー・マ Yo-Yo Ma 1983

ストレートな演奏。若干重心を後ろに残しながら走っている印象もありますが、ヨーヨー・マはこの頃からすでに素晴らしい演奏をしていました。ヘッドフォンで聴く場合、無音区間に若干暗騒音が感じられるのが、気になる人は気になるかも。

シュタルケル Janos Starker 1965

前進あるのみといった気概に溢れる力強い演奏。一時はかなり聴きました。ただし、ヘッドフォンだと音場に違和感あり。スピーカーならいいけど。

マイスキー Mischa Maisky 1994


組曲の枠を押し広げるかのような華やかな表現。ストレート・求道的な演奏が物足りなくなった方に。

フルニエ Piere Fournier 1960

流麗と言われることも多いようですが、一音一音踏みしめて進むような演奏スタイルが特徴的。1960年録音という割に音は悪くない(ノイズは演奏に隠れるので気になりません)。

カザルス Pablo Casals 1939

この組曲の復権はカザルスから始まった。歴史に残る一枚。なのだが、素人が音楽を楽しむには×。蓄音機のような音なので。良い録音で聞きたかったな。昔だから仕方ないけど。


書いてみたら結構ありました。バッハ無伴奏チェロ組曲は、人それぞれに好みがあって、どれが一番ということはありません。単にどれから聴くか、そしていつ自分の好みにぴったりの演奏に出会うかだけ。気が向いたら他の作品も加えるかもしれません。



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