ハイレゾはPCM 96khz/24bits, DSD 2.8Mhzでぜんぜん十分

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e-onkyoのサイトを眺めていたら、Jazzの高音質アルバムとして有名なJazz at the Pawnshop、2xHDレーベルリマスター版 DSF 11.2Mhzが¥1,575。

flac 192kHz/24bitが¥1,350で¥200しか違いません。せっかくの高音質録音でしかも2xHDですから、最高音質のDSF 11.2Mhzを選びました。これが1500円だから安いものです。

しかし、購入時にファイルサイズを見たらアルバム1枚で15GBもあります。32GBのメモリだとアルバム2枚しか入らない計算。おまけにダウンロードがぜんぜん終わらない!結局その夜は諦めて寝てしまいました。結局ダウンロードに1,2時間かかったみたいです。

もう一つ困ったのは、せっかくのDSF 11.2Mhzなのに、PCM 88.2khz/24bitに変換したものと音質差が感じられないこと。さすがにPCM 44.1khz/16bitまで落とすと少し違うのですけどね。

DSD 11.2Mhzは音がいいとかアナログ的に滑らかとか、極めて主観的な(根拠の薄い)レビューはネットに溢れていますが、本当のところはどうなんだろうと思い、ちょっと調べてみました。

電気通信大学 情報システム学研究科 西口敏行さん 博士論文(2009) (PDF)
48kHz 24bit,192kHz 24bit,2.8MHz 1bit (Direct Stream Digital:DSD)にて収録・再生をおこない,各フォーマット間の音質差異に関して主観弁別実験を行って検討した。(中略) 実験の結果,被験者,音源に依らず,標本化フォーマットの違いは有意に弁別されなかった。
Subjective Evaluation of High Resolution Recordings in PCM and DSD Audio Formats
Six sound programs evaluated by forty-six participants on eight attributes revealed statistically significant differences between PCM (*192 kHz/24 bits) and DSD (*2.8 MHz and 5.6 MHz) but not between the two sampling frequencies (2.8 MHz and 5.6 MHz) of DSD.
6種類の音源を、46人の被験者により8つの観点で評価したところ、PCM(192 kHz/24 bits)とDSDの間には統計的に明らかな差が見られた(注: DSDの方が良い)。しかしDSDの2.8Mhzと5.6Mhzの間にはそのような差は見られなかった
DSD vs. PCM: Myth vs. Truth (Benjamin Zwickel, Owner, Mojo Audio)
High-resolution PCM and DSD formats are statistically indistinguishable from one another in blind listening tests.
ブラインドテストの統計からハイレゾPCMとDSDは区別できないと言える。
DSD64, or SACD, has higher resolution than a 16-bit 44.1KHz Red Book CD, roughly the same resolution as 24-bit 96KHz PCM recording, and not as much resolution as a 24-bit 192KHz PCM recording.
DSD64 (SACD)は
16ビット/44.1khzのCDより解像度が高く、おおよそ24ビット/96khzと同等だが、24ビット/192khzほどではない。
The 24-Bit Delusion (Benjamin Zwickel, Owner, Mojo Audio)
In reality, there are no DACs in the world that are capable of discerning greater than an 20-bit resolution.
実は明らかに20ビット以上の解像度を持つDACはこの世に存在しない。
Of course that doesn’t even account for the significant amount of distortion added by signal cables, amplification, and speakers, all of which would not allow resolving even an 18-bit recording.
もちろん、18ビット解像度の録音すら許さない、ケーブル、アンプ、スピーカーなどの歪みは考慮せずにである。
In order to appreciate the difference in resolution between a 16-bit and 20-bit recording, you would need to be in an ultralow-noise environment, such as a recording studio, with treated walls, isolated AC power, and 100% balanced electronics.
16ビットと20ビットの差を楽しむためには、音響処理済みの壁、独立したAC電源、100%調整済みの機材、などを備えたレコーディングスタジオのような、超低ノイズ環境の中にいなくてはいけない。
In order to hear the difference in dynamic range between a 16-bit and a 24-bit recording, you would have to play the music so loud it would cause permanent hearing loss.
16ビットと24ビットのダイナミックレンジの差を聞き分けるには、永遠に聴力を失うほどの大音量で音楽を流さなければならない。
When people claim to hear differences between 16-bit, 20-bit, and 24-bit recordings, it is not the difference between the bit depths that they are hearing, but rather the difference in the quality of the digital mastering. The fact is that even most so-called 24-bit recordings are mastered with less than 16-bit dynamic range (and wisely so).
誰かが16、20、24ビットの差を聞き分けられると言ったら、それはビット深度の差ではなくデジタルマスタリングの品質の差。いわゆる24ビットレコーディングでさえ、16ビットのダイナミックレンジでマスタリングされているのが本当のところだ (賢明にも)。
JASジャーナル2017年1月号(Vol.57 No.1)
ハイレゾ時代における感性価値から見た音源制作と最新音源デモ (PDF) 

ビットレンジの深度が深まり、更にサンプリング周波数が高くなると、その相乗効果でハイレゾリューションならではの音の世界が表現される。
・音の開放感が増し、広い音場空間が創れる。
・高解像力により各楽器&声などのリアリティー感が増す。
・演奏しているアーティストの感情、緊張感、気・・・などが音から感じ取れるようになる。
このことはアーティストそれぞれが目指す独自の音色創作への大きな原動力となる。
PCM 録音音質的特徴
・音の立ち上がりが早く、クリアーで高解像力なサウンド。
DSD 録音音質的特徴
・音色が豊潤で深みのあるサウンド。
上から学術的な分析、音響メーカーブログ、レコーディングエンジニアの評価、の順です。これらを総合すると以下の結論になりそうです。
  • 理論的にはPCM 48khz以上のハイレゾ(DSD含む)は人間は識別できない。
  • その領域ではマスタリングや機材の差の方が大きい。(ハイレゾフォーマットにより音に差があるという報告/レビューが溢れているのはこれが原因?)
したがって、個人で楽しむハイレゾフォーマットとしては、DSD 2.8MhzかPCM 96khz/24bitsで十分のように思います。もしかしたら48khz/24bitsでもいいかもしれない。実際自分でXDP-100Rなどで試してもそんな印象。DSD2.8Mhzならファイルサイズ=ダウンロード時間もDSD11.2Mhzの1/4で済みますから、その点も助かります。売る側の宣伝文句に乗らないようにしないと。

ただし、手持ちの機材の特性やマスタリングの差で、DSD11.2Mhzの方が良い(好みの)音が出ることは考えられます。その場合はそちらを選ぶのも良いでしょう。聴くのはフォーマットではなく音ですから。


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