ハイレゾ音源をダウンロードするかどうか迷ったら

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ヘッドホンでの音楽鑑賞のため、音源も順調に増えています。極力いい音で聞きたいところですが、全てハイレゾ音源を買っていてはお金が続きません。

そのため安価なCDとハイレゾダウンロードを組み合わせる事になりますが、どんな時にCDで済ませばいいんだろう?色々スペクトラムを見ていると、これはCDで十分だろうというパターンが次第に浮かんできました。

① オリジナル音源が古すぎて高周波成分がノイズだけ

ハイレゾでリリースされたのだから、古い音源であっても音がいいはずだ、と思いたくなるのが人情ですが、ことノイズに限ればこんなものです。フルニエのバッハ無伴奏チェロ組曲(96khz/24bit)ですが、10数khz以上はほぼサーっというノイズだけです。


録音機器の技術的な理由が多いでしょうから、おそらくある年代頃を境にこんな感じになるのだろうと思います。極端な例ですが、1940年頃だとこんな感じです。パブロ・カザルスの同じく無伴奏チェロ組曲(CD)ですが、もう8khz以上くらいからはノイズに埋もれた感じです。音楽史の上では名盤なのだと思いますが、音が悪すぎて私は聞きません。


ただし、高域にノイズが多いからと言って一言で片付けるのは間違いで、リマスタリングで可聴域の音がクリアになっている可能性は十分あります。サンプルを聞いてみて納得できれば、もちろん購入はありだと思います。私の場合、うーん、大して高域も入っていなそうだなーという時は、止めるようにしています。

② 盛大なDSDの高周波ノイズまで含んで「ハイレゾ」

これは看板に偽りありみたいなもので、ちょっと売り手の姿勢が問われるところではないでしょうか?以下はギドン・クレメールの無伴奏バイオリンソナタ。DSDでリマスタリングしたものをFLACで売っているのだと思いますが、192khz/24bitとして表示されています。セールだったので文句も言いませんが、スペクトラムをみるとこうなっています。

192khz:高周波に異常に盛大なノイズ。DSD由来のものでしょう。これを192khzと言って売られてもねー。 2.8Mhz DSDとして売ればいいのになぜFLACで売っているのか?


XLDで96khz化:うん、これなら96khz/24bitとして売るなら、まあリーズナブルでは?


さらに48khz化:明らかに頭打ちで、音も若干劣化した感じになりました。これはやめておきました。


③ そもそも元の楽器がほぼ20kHz以下

クラシックだと、チェンバロやバイオリンなどは20khz以上まで倍音が広がっています。


チェロは時々20khzになりますが、無理してハイレゾを買わなくても良さそうに見えます。でも私はチェロが好きなので、これはというアルバムはハイレゾで買ったりしています。


予想外だったのがピアノ。どんなに激しい曲でも20khz以下に収まっていそうです。ということは、ピアノソロはハイレゾ音源不要という事に...。自分で言っていて何ですが、ホントかな?

ポリーニのショパンの革命(CD)はこんな感じ。15khzも行っていません。


アルゲリッチの情熱的なショパンのプレリュード(CD)でも20khz行くかどうか。


同じ曲の最近の録音として、別のピアニスト(Cristian Budu)のハイレゾ96khz/24bitでもこんな感じ。でもこれは演奏が良かったし、ハイレゾなのに良心的な価格だったので、買って良かったと思いました。なお、46秒付近に一瞬30khzにもなる異様なピークがあるのですが、どうもこれは演奏中のご本人の咳の様子。


④ アップサンプリング+高域補完処理

CD時代からよくある「CDではカットされている高域を推測補完して、音が美しく聞こえるようにする技術」です。別に眉唾ものではなく根拠のある技術だし、おそらく音もよくなると思うので、音楽鑑賞という意味からするとアリだと思います。ただ、それでハイレゾをうたって値段が大幅に上がってしまうのだと、どうかなーという気はします。

このパターンは私はまだ見たことがありませんし、見ても分からないと思います。ただ、以下の例は何だか20khz付近から上の繋がりが不自然な気がするのですが、どうなんでしょうか?同じアルバムの他の曲はこうだったり、こうでなかったりします。


⑤ 単にアップサンプリングしただけで、中身は元のCDデータのまま

まだ一回しかみたことがありません。HDtracks 2017 Hi-Res Samplerの中に昔のダイアナ・クラールの曲があって、Dinana KrallのStepping Outから、Jimmie (2016 Remastered)。96khz/24bitなのに、きっちりCDと同じ周波数でカットされています。上半分は真っ暗。


HDTtracksの名誉のために言っておきますと、同じサンプラーの中の別のアーティストの曲(最近の新曲)はこんな感じでしっかり高域まで入っており、実際に聞いていても音もよく、いい曲だったので楽しめました。スペクトラムの上の方がちょっと変な感じですけどね。


ダイアナ・クラールのサンプルは権利関係か何かなのですかね?どうせノイズだけだから意味がないや、という判断だとすれば、それはそれで賢明ですが、だったら別の曲を選べばいいのにと思います。

まとめ

ハイレゾ機器を購入すると、最初はワクワクして何でもハイレゾ音源で聴きたくなるものですが、その熱を冷ますため、必ずしもハイレゾだから音がいいわけではないパターンを見てきました。

これだけが理由でもありませんが、私は、普段は音楽配信サービスかCDレンタルor購入でできるだけ幅広く音楽を聴き(自分の趣味の世界を広げ)、特に気に入ったアルバムをハイレゾダウンロードしてじっくり聴く、というスタイルがいいと思っています。あまり売り手に踊らせられないように注意といったところですかね。


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