二子山の絶壁登りと高度感溢れる岩稜歩きは命がけ!
2016/12/10 Update クルマで行く時の注意など追記しました。初冬から路面凍結注意です。危険と評判の岩山、小鹿野の二子山、初めて行ってきました。これまでのトレッキングとはレベルの違う危険に、寿命が縮んだ気分です。初心者が行ってはいけないコースに足を踏み入れてしまったようです。
二子山の○
- 首都圏から至近距離で、絶壁を3点支持で這い上がり、おまけに高度1kmの綱渡り(岩稜歩き)を楽しめる。楽しいと感じるかどうかはその人次第。
- 東岳からの眺めは広々と素晴らしい。気温の低い朝は、眼下に朝霧が立ち込めた光景が広がって、良い雰囲気。
- 二つの岩山、東岳と西岳の間の股峠には、車から降りて5分で行ける。
- 首尾よく制覇できれば、充実した達成感が得られる。
- おすすめコースは、坂本登山口〜股峠〜東岳の切れ落ちたポイント〜東岳山頂〜東岳端の展望ポイント〜股峠に戻る〜西岳上級者コース(or一般コース)〜西岳岩稜〜西端から下り〜ロウソク岩の下〜坂本登山口。ただし、くれぐれも自分の実力に応じた判断を。
二子山の×
- 危険。初心者が好奇心だけで行ってはいけない。経験者も初心者を連れて行くべきではない。
- 初心者はもっと易しい場所で経験を積んでから。蛭ヶ岳周辺の鎖場で足がすくむようでは論外。
- 西岳の上級者コース(絶壁登り)がクローズアップされるが、東岳の途中一箇所や、細く長い西岳の岩稜歩きも間違いなく危険。
- 股峠直下まで車で行けることを知らないと、民宿から急登を1時間歩くことになる(私)。
- 無事に下山するとある種の脱力感に襲われる。充実感は?
二子山に行く前の注意
- 東岳、西岳に行くのであれば(股峠で帰る人はいないと思いますが)、トレッキングシューズ必須。トレランシューズではややソール(底)が柔らかいので歩きにくいし危険な場面もあるかも。
- シューズは足にぴったりフィットしていること。中で少し動くようだと、岩場を歩く時に足元が決まらずリスクが増えるのは確実。実は私は今回古めのトレランシューズで行ったのですが、出がけになんか少しシューズが緩いなと感じて、冬用の厚手の靴下に交換。それでぴったりフィットしたので、ギリギリトレランシューズで行ってこれました。岩場を歩いている時に、本当によかったとしみじみ思いました。
- 岩を掴んで登る場面が多いので、庭作業用のゴム引きの軍手が強力なグリップを発揮&コストパフォーマンス抜群。
- それほど距離がないので、ウェア、シューズ、水1リットル 、補給食少々あれば空身で行ってこれる。が、万一捻挫したり滑落して動けなくなった場合を想定し、通常の山装備は必要。無事戻って来た時には「ザックの中身は単にウェイトだったな〜」と思うわけですが、そう思えたことに感謝しましょう。
- 山岳保険は入っておきましょう...。私も今回初めて入りました。年4000円ほど。レスキュー隊のお世話になる羽目になったことを考えれば、安いものです。(▶︎jRO山岳保険)
- 東岳山頂の先の展望スポットを見逃さないこと。絶景。
- できれば単独行は避けたい。事故の備えというだけでなく、岩場で心細い時にお互い声をかけるだけで心強い。私はたまたま同じコースを辿った方としばらく一緒に歩けてラッキーでした。
代表的なポイント
民宿近くの登山口からはすぐに急登となる。これから登る岩山が、覆いかぶさるように見えている。東岳の端からの眺め。今日は朝霧が立ち込めて、しっとりと落ち着いた光景が広がっていました。
東岳から眺めた西岳と、右下の赤い点が人。この岩壁を手足だけで登るのが上級コース。岩壁下まで行って無理、と思った方は一般コースへ。こちらもハードのようなので、恥じることはありません。命あっての物種!安全第一!
正直に告白すると、東岳で唯一身のすくんだ場所がここ。ここで吹っ切れれば、上級コースへの気持ちの準備はOK? 下り(帰り)よりも登り(行き)が恐ろしかった。上半身部分に岩の出っ張りがあり、なおかつ、その真下がちょうど岩の切れ目で、足元に何もない空間がぽっかりと広がっているという状況。よっぽど引き返そうかと思いました。一回それを乗り越えられれば大丈夫なんですが。
東岳から股峠を通って上級者コースのスタート地点へ。しっかりした手がかりが多い岩なので、落ち着いて3点支持を繰り返せば進める。ほぼ一本道で、にっちもさっちも行かなくなるようなポイントはなかった。(あったら怖い。)
途中一息つける場所から下を見る。下を見ても怖くないが、登っている時にとても心細くなるのはなぜだろう?絶壁間際でも、カメラのファインダー越しに見ると恐怖心がなくなるということを発見。距離感が失われるということか?写真に集中してしまうからか?何れにしてもちょっと危ないかも。
西岳から東岳を望む。 岩の板が天から降ってきて、山に突き刺さったかのよう。
西岳の岩の屏風のてっぺんをつたい歩く。つまづかないよう細心の注意を。
万一つまづくと、もう一歩先へ...
無事に帰ってこれてほっとしました。距離は短かったのですが、いつものトレッキングの領域から、本格的な登山に一歩足を踏み入れた気分です。まだ自信がついたとは言えませんが、少し経験値はアップしたかな?
今思い返していて、一つ面白いことに気づきました。それは今日二子山でお会いした人とは、なぜか全員と長い会話を交わしたこと。丹沢とかだと「こんにちは〜」ですれ違って終わりのことも多いのですが、二子山ではこの異様な状況を共有する仲間として、親近感が高まるのかもしれません。
- 東岳から西岳頂上まで、しばし同行することになった同年代の男性。
- 股峠で西岳上級者コースを「多分大丈夫ですよ」と軽く勧めてくださった、青いウェアを着こなした、いかにも山慣れした風情の先輩。
- 西岳の岩稜ですれ違う際に、上級者コースについてお話しした男女二人連れ。
- 下山途中に出会った、ここは丁須の頭の次くらいに高度感がある。丹沢はどこから歩くのがいいですか?などなど会話した若い方。
アクセスなど
12月初めに行ったわけですが、小鹿野町は山奥&川沿いです。朝霧のためか一部路面がうっすら凍結していました。ブレーキをかけたら滑りました。気をつけましょう。右下に小さく車が停まっているのが見えます。ここから股峠へのコースタイムはなんと5分!東岳や西岳をちょっと一回りするだけなら、登山というよりもアスレチックの範囲にもなる近さ。でもせっかく行くなら一度は下から登りたいところ。山に登るという気分が全然違うと思います。岩場のトレーニング目的ならこっちかな。
下山した時の登山口近くの路上駐車。全然余裕でした。
二子山、ここはまた行きたいです。もっと高度感のある写真も撮りたいしね。
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