Eclipse TD-M1が素晴らしい&特別セール中!
デスクトップ作業の時にもいい音で音楽を聞きたい!ということでニアフィールド用のアクティブスピーカーを探していました。でも小型で音が良くて価格もできるだけ抑えて、となるとなかなかめぼしいものがありません。
色々探し回っているうちに、FUJITSU TENのEclipse TD-M1が異常に安くなっているのを発見。定価13万円、実勢10万円の製品が、あるショップに限って、UK版/欧州版という形で7万円で販売されています(2017/5現在。おそらく期間・台数限定)。価格.comの価格履歴を調べてもここまで下がったことはなく、またおかしなことに、ネットショップがあるにも関わらず、価格.comの最低価格にも表示されません。何か業界の特殊事情でもあるのでしょうか?理由は何にせよ、ユーザーにとってはモノがちゃんとしていればどうでもいいことです。
▶︎ UK版/欧州版TD-M1はこちらのショップ Rock oN Company のみの販売(Amazonへのリンク)
Eclipse TD-M1とは
オーディオに興味がある方はおそらくご存知と思いますが、「鬼太郎の目玉おやじ」あるいは「目玉」型スピーカーシリーズの最新作、無線LAN/USB-DAC一体型モデルです。海外レビューサイトでも「メーカーは卵形と言っているが私には目玉に見える」と言われているくらい、特に白モデルは目玉に見えます(まつげや血管をつける人は...いないか)。斬新な形ですが、これが2001年からあるのですから、メーカーの筋の通った姿勢には脱帽です。これは決して人目をひくためのデザインではなく、正確な波形再生が重要という「タイムドメイン理論」を実現するための形。このタイムドメイン理論、周波数領域のf特がよければ同じことじゃないの?と思ってしまうのですが、そうではなく、インパルスレスポンスを理想に近づけるべきというポリシーで開発されているとのこと。
このインパルスレスポンスのあたりまで聞くと「なるほどそうかも」と思うのですが、単に「タイムドメインで正しい音の波形を追求」、とか言われるとどうも胡散臭さを感じてしまいます。おそらく「タイムドメイン」という言葉の怪しさと、自ら「理論」と言い切ってしまう両方に原因がありそうです。スピーカー開発の技術者の方にとっては残念なところなのでは?もう少し素直に信じられるマーケティング用語が欲しかったところでしょう。タイムドメインテクノロジー、とかなら聞く方も慣れているんですが。技術解説はこちらにありますが、色々な雑誌の記事の方が、一般にはずっとわかりやすく納得しやすいと思います。以下の記事あたりでしょうか。
▶︎ASCII: いかに正確な音を出すか—パワードスピーカー「ECLIPSE TD-M1」の挑戦)
▶︎AV Watch: 第597回:USB DAC搭載スピーカー「ECLIPSE TD-M1」と“タイムドメイン”への疑問をぶつけた
▶︎スペシャルインタビュー オノセイゲン: 音楽と音へのこだわりとECLIPSEへの視点
▶︎【レビュー】ECLIPSE「TD-M1」を聴く - NOS-DAC搭載のハイレゾ対応ワイヤレススピーカー
▶︎FUJITSU TEN TD-M1の魅力に改めて迫る!
試聴の印象
ネットの記事は普通いいことしか書きません。頭から信じるのは危険なので、半信半疑の状態を解消するため、実際に渋谷のお店に行って試聴させてもらいました。手持ちのXDP-100Rに接続して色々と聴かせてもらい、やっと自分でも、自宅リビングで使用するニアフィールドスピーカーとしてはベスト!と確信し(私にとってはかなり高価でしたが)購入しました。お店の方によると、もともとTD-M1への評価が高い音楽関係者だけでなく、上記のような理由で購入する一般の人も多いそうです。(※長時間視聴させてもらった上に、色々とアドバイスや情報をいただき、ありがとうございました。おかげさまで決断できました。)素晴らしい点
- 音の見通し・定位が凄い。広がるべき音は広がり、ポイントであるべき音はそれぞれの位置に聞こえます。音場全体の構成が手に取るように分かるため、左右方向の少しの音源移動や、手前のボーカルと背後のバックコーラスが奥行き方向に分かれて聞こえるくらい。これには驚きました。いくら分解能が高くてもヘッドフォンではこうはいきません。
- それに加え、ミドル域の密度感が高いスピーカーなので、アコースティックな音、ジャズや各種ボーカル、室内楽、ギターやハープシコードの高音質一発録音モノなどで、素晴らしいみずみずしさ・存在感を味わえます。ここら辺がコアなファンが多い理由かもしれません。パイプオルガンが意外に悪くなかったのも驚きました。
- USB DAC内蔵(192khz/24bit)なので、PC/MacからUSBで接続できます。192/24あればハイレゾ音源も実質的にほぼカバーできるし、将来音質で不満になることも少ないでしょう(私はハイレゾは192/24で十二分と考えているので)。このDAC自体、タイムドメイン理論をサポートすべく、最適なチップを選定しデジタルフィルタの使い方も工夫されているそうなので、いい音が期待できます(こういう匠に通ずる作り込みのストーリーも大事ですよね)。ボディもずっしりと重く高剛性。指で叩くとコンコンと硬い音がします。これもプラス。
- インテリアとして圧迫感がない。一般的なボックスタイプのスピーカーに比べると「占有体積」が小さいので、視覚的に小さく見える。白だとなおさら。リビングやデスクトップへの設置等ではこれは重要。
もう一息な点
- 高音域はもう少し艶が欲しいです。低音はタイトから少しパンチを引いた感じですが、一般のリビングで聞くのであれば、むしろこの程度の方がオールマイティーでいいかも知れません(家族の苦情も減りそう)。ここらはかなり主観的です。ネットでは低域不足の指摘が多いですが、いかにタイムドメインとは言え、TD-M1はフルレンジの8cmスピーカー1個だけですので、ある意味当然かなと思います。ただし、増強された低音が重要なクラブ系・EDM系ミュージックには当然不向きです。交響楽も少し大人しめでしょうか。
- DSDネイティブ再生は未サポート。でも単体DACでなくアクティブスピーカーだから、DSDにこだわりのある方にとっても許容範囲かな?製品企画時期から考えてやむを得ないとは思います。でもチップがWM8742だからもしかして将来...。
その他
- UK/欧州版に伴う電圧や電源ケーブルの問題はなし。取説は日本のホームページに日本語版があります。保証も日本版と同じことをメーカーが保証しているので安心。
- Airplayが使えるのでiPad/iPhoneからTD-M1を鳴らすことができ、本来の音質とは行きませんが便利です。Bluetoothはないのですが、据え置きで使うものなので、自宅にWiFiがあれば必要を感じません。
- Androidアプリ(Eclipse TD Remote for Android)からも同様のことができますが、このアプリでAACもALACもサポートされていないのは問題(FLACはOKです)。Macとも接続して使うスピーカーなのだから、iTunesで主に使用されるそれらの規格は、本来サポートすべきでしょう。iTunesで音楽を聴く人は、実質このアプリは使えません。私はこのアプリでの再生はしないからいいですが。
- PC/Macの代わりに、Androidスマホ+OTGケーブルで、USB接続できました。こうすれば(USB有線接続にはなりますが)WiFiと違って高音質で音楽を聴くことができます。アプリが違うのでALACもOKです。ただしHF-Playerは動かなくなることがありました。XDP-100Rはまったく問題なし。こうなるとスマホアプリの方に、ボリューム調整機能が欲しくなりますが、残念ながらその機能はありませんでした。XDP-100Rのアップデートでつけてくれないかな?
- MacのソフトはAudirvana PlusでもiTunes + BitperfectでもOKでした。TD-M1には関係ありませんが、AudirvanaはFLACだろうがDSDだろうがそのまま管理・再生できますが8000円くらいと高価、一方のiTunesはFLACやDSDは管理できずXLDで変換する手間がかかりますが、高音質化ソフトのBitperfectが確か1200円くらいとかなり安い。一長一短です。
- セッティングもネットの取扱説明書を見ながらやれば簡単でした。
- 音の立ち上がりの追求という観点からは、MQAと相通じるものがあるように感じられます(一般には分かりにくいところもですが)。次の機種でMQAをサポートするのも面白いでしょうね。TD-M1はMQA社のあるイギリスでも評価が高いので、双方にとってもタイアップしてのマーケティングに面白さもありそうです。
まとめ
最後に、まったくオーディオに詳しくないうちの子供(バスクラ吹いていましたけど)が、TD-M1の音を聞いた第一声が「ここに空間が感じられる!」でした。これが全てを表しているような気がします。
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