GW特集: 初めてのハイレゾ音源ダウンロード

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膝が不調なので今年はインドア派の連休になりました。ゆったり音楽でも聞いて過ごしましょう。PioneerのデジタルオーディオプレーヤーXDP-100Rを買ってから、ハイレゾ音源の購入ペースが上がったように思います。私の買い方などメモしてみました。


0 レンタルCDで済ます

のっけから、おいおいと言いたくなる感じですが、最初の頃は気をつけた方がいいかなと思う点。「ハイレゾコレクター」にならないための、私自身注意する意味も込めてのステップです。ハイレゾ音源をダウンロードし始めると、自分の聴きたい音楽だけでなく、高音質と評判のデータやセール中のデータについつい手を出してしまいがち。しかし「音楽」を楽しむというところからはやや外れてしまいますし、いくら高音質でも興味の薄い音楽はすぐ聞かなくなってしまいます。何でもかんでもハイレゾというのは避けるべきでしょう。

このためには(これまで通り)レンタルCDを活用するのが一つの手です。CDのフォーマット44.1k/16bitはそれなりに高音質。特に音楽を外出先で聞くなら十分で、ハイレゾ化のコストパフォーマンスは非常に悪いと言えるでしょう。例えばレンタルならCD 1枚200円くらいですが、ハイレゾだと2,000円、国内アーティストなら4,000円くらいだったりします。20倍の価格差を考えたら、どうせいろいろ手を出すのなら、ハイレゾよりもレンタルで色々な音楽をさらに手広く聞いた方が、自分の経験値が増えて良いというものです。CD音質で聞き込んでさらにいい音が欲しいな〜と思ってからハイレゾにしても遅くありません。

なお、Jazzのメジャーな作品は時期的に著作権が切れているものも多いので、ハイレゾにこだわらなければ、過去の名作がセットで極めて安価に売られていたりします(合法です)。これからJazzに手を出そうという方は、ハイレゾの前にそっちで数を稼いで経験を増やすのがいいと思います。場合によってはレンタルよりもさらに安価です。まあこれもやりすぎると、たくさん買ってもやっぱり聴かない、となってしまいますけどね。そして、その上で最新リマスタリングの高音質ハイレゾに手を出す、と。

▶︎ Amazonの"7 Classic Albums"へのリンク


1 ダウンロードサイトを選ぶ

さて、ここからやっとハイレゾ音源を入手する話が始まります。国内だとe-onkyoがメジャーですが、その他にもmoraとかototoyとかあります。国内アーティストならここら辺をさらっとチェックして(多分価格差などないでしょうから)自分がいつも使うサイトを決めてダウンロードすれば良いでしょう。ただし、日本人アーティストでもクラシックとかだと話が違ってきます。海外アーティストと同様、国内サイトで買うのはかなり割高になることが多いです。この点はもう少し後に書くことにします。

ちなみに、XDP-100Rにはe-onkyoからの直接ダウンロード機能があって、プレーヤーだけで音源選びから購入、ダウンロードまでできてしまうという点では素晴らしいのですが、
  1. e-onkyoがいつも最安値ではないので、別のダウンロードサイトを使いたいことの方が多い。(せっかくの機能、ONKYOの方には申し訳ないのですが)
  2. クラウドは信用できないので、データは自分でバックアップしておきたい。となるとやっぱりiMacでダウンロードしてからXDP-100Rに転送するのが自然かつ安全。(※e-onkyoにダウンロード期限はありませんが、突然自分の買った音楽の扱いが中止されないとも限りません。そういえば以前電子ブックで同じような騒ぎがありました。)
などの理由から、最初のころ一回試しただけで使わなくなりました。


2 セール期間は要チェック

突然セールが始まって、しかも半額になったりするので見逃せません。レーベル限定だったり、連休割引だったり、100選とかだったり、パターンは色々あるので、時々サイトを覗いてみるのがいいでしょう。例えば今だとe-onkyoでDeccaの100タイトルが半額くらいになっています(2017/5)。一回購入すればメルマガなども来ますけどね。ついつい無駄遣いしないよう、自分の気持ちだけしっかり持つようにしましょう。


3 海外含め低価格なサイトを探す

さて、ここから少し敷居が高くなってきます。ハイレゾ音源の価格はサイトによって様々です。ダウンロードサイト(特に海外)、レーベルの販売サイト、アーティストのサイト、販売サービスのサイト、それぞれで価格やフォーマットにかなり差があります。どうやってダウンロード先を決めればいいのでしょうか?

3.1 ダウンロードサイトから探す

以下が全てではありませんが、例えば  e-onkyo HDtracks  highresaudio  2L  NativeDSD  Presto Classical  などにアクセスし、欲しいハイレゾ音源の価格を全部比べてみましょう。価格差が大きいのでこの手間をかけるだけの価値は十分あります。というか日本のダウンロードサイトが海外アーティストに対して異常に高価なだけなんですが。契約条件とかあるのでしょうか?(※すべてがこうだという訳ではありませんのでご注意ください)例えばMOZART Violin Concertos (MQA remix 2016) - TrondheimSolistene を比べてみます。

-e-onkyohighresaudio2LHDtracks
FLAC 176.4¥3394$20$23$23
FLAC 88.2¥2777$16.2$19-
DSD 64¥3394$20$23-
MQA¥3394$20.9$24-

3.2 レーベルあるいはアーティスト自身のサイトのリンク先から探す

いつも決まったサイトで探す方法だと、ダウンロードサイトが漏れるかも知れません。そのため、レーベルあるいはアーティストのサイトに行き、そこに記載されているダウンロードサイトを調べるのもいいでしょう。それで全部かはわかりませんが、新たなサイトに出会える可能性もあります。特にハイレゾの場合、音質は録音段階からが勝負ですので、自分の好きな高音質録音レーベルから、新たなアーティストに出会うことも多いはず。その際はこのような方法が有効です。時々そのレーベルサイトでだけSALEしていることもあります。

なお、先に日本のサイトは高価と書きましたが、2xHD-Naxosというレーベルから出ているアルバムに限っては、珍しくe-onkyoが大幅に最安値です。Naxosが日本発のレーベルだからか、かなり差があります。2xHDという高音質マスタリングスタジオと組んでいるので音質は折り紙付き、レーベルに注目してアルバムを探すなら、最初の候補の一つにしても良いと思います。



3.3 日本からのアクセスではダウンロード/購入できない場合は?

※この部分については自己責任が求められますのでご注意ください。そのためVPNソフトの紹介などはしていません。

海外のダウンロードサイトの場合、日本からのアクセスが制限されていて、情報が十分見られなかったり、ダウンロードできないケースも多々あります。このような場合、VPNを使うと日本ではなく他の国からのアクセスに見えるので、購入できる可能性が高いです(なお、VPNの使用がサイトの規約で認められているかどうかは、事前にチェックした方が良いです)。

ただし、クレジットカード決済の段階でカードの請求先住所とIPアドレスの国の対応をチェックしているサイトもあるようで、その場合はたとえVPNを使ったとしても決済時に拒絶されて購入できないでしょう。ガードの固さ悔しい思いをしたとしても、クレジットカードの盗難などに備えた措置ですので、サイトを恨むのはやや筋違いと言えます。そのような場合でも、他にPayPalなどの決済手段を用意しているサイトもありますから、そちらを試す手もありそうです。


4 ファイルフォーマットを決める

最近少し厄介になったのが配信フォーマットの選択。これまではほぼFLACDSDかで悩めば良かったのですが、このところMQAが第三勢力として出てきました(macOSならできればFLACではなくALAC)。MQAは、ほぼロスレスで従来よりも高音質、おまけにファイルサイズは大幅に小さいと、良いことずくめのマーケティングで迫ってきます。しかしMQA専用デコーダー内蔵のハードウェア(DAC)またはソフトウェア(2017/5現在Audirvanaだけ)がないと高音質では聞けないことから、MQAがもっと市場で一般化してから手を出しても遅くない、と考えるようになりました。

また将来的にMQAファイルを自由に別フォーマットに変換できるソフトが出る可能性は低く、一度使い始めると常時MQAを使わざるを得ないという、一種ドラッグ漬けのような状態にもなりかねない(まだこのような議論は出ていませんが)ので、MQAという独自技術に囲い込まれるのが嫌という方もいるでしょうね。あとは、MQAの主張する高音質が、ピュアな音源波形を追求した結果なのか、はたまた写真でいう美肌モードなのか(私個人的には)判然としないという気持ち悪さも残されています。


以上のような背景から、私は現時点では、ダウンロードするファイルのフォーマットとしてFLAC 192/24 or 96/24がお勧めかなと思います(mac環境ならALAC)。DSDならDSD128/5.6Mを上限と考えて良いのではないでしょうか。DSD64/2.8Mでも悪くないと思います。

それより高いサンプリングレートのFLAC 384/24やDSD256/11.2Mは、一般のオーディオファンにはもはや音質の向上は感じられず、逆に巨大なファイルサイズによるストレージ容量の圧迫、ダウンロード時間増加のデメリットの方が大きいと思います。オーディオ業界はどんどんスペックインフレを進めたいでしょうが、そろそろ無理があるのではないでしょうか?

※WAVはPCMの大元データのフォーマットですが、サイズが大きいだけでダウンロードフォーマットとしては無意味です。たまにFLACは圧縮を展開する(余分な)処理が入るので音が変わるなどの都市伝説が聞かれますが、ちょっと考えにくい話です。FLACを展開する処理など現在のプロセッサからすると微々たるもので、それ以外に例えばOS内部で動作している無数のプロセスの方が、よっぽど処理負荷が高いですから。

5 ダウンロードする

専用のダウンロード用ソフトを配布しているところと、ZIPファイルなどをブラウザでダウンロードするところの、大きく分けて2種類あります。前者の方がダウンロードは圧倒的に早いので、ダウンローダーが用意されているサイトでは、億劫がらずにダウンローダーを使用しましょう。ダウンロードが途中で失敗しても再開もソフト任せなので簡単です。特に海外サイトからの巨大データのダウンロードには5,6時間かかることもありますから。

ちなみにmacOSでは省エネルギー設定により、ディスプレイがオフになると自動的にmacがスリープに入ってしまうことがあります。長時間のダウンロードの際(寝る前とかね)には、「ディスプレイがオフのときにコンピュータを自動でスリープさせない」にチェックを入れておきましょう。そうしないと、ダウンロードまで一緒に終わってしまいます。


6 フォーマット変換する

私がiMacユーザーなのでmacOSの場合について書きます。FLAC/DSDをお勧めしておいて言うのも何ですが、macOSの標準的なミュージック管理ソフトiTunesは、FLAC/DSDを受け付けません。ALAC(Apple Lossless Audio Codec)に変換する必要があります。

これにはXLDがマストアイテム。難しい設定不要で各種オーディオフォーマットをALACに変換することができるので、それをiTunesのライブラリに取り込むだけでOKです。DSD 11.2MだけはXLDがサポートしていませんが(2017/5現在)、その場合はTASCAM Hi-Res Editorを使えば良いでしょう。ただし処理時間がすごく長いし、ファイルを一個一個手作業で指定する必要がある(本来波形編集ソフトのため)ので、本当はXLDが11.2Mをサポートしてくれるといいのですが。

もう一つの方法はハイレゾ対応のミュージック管理ソフトAudirvanaを購入すること。$74なのでそこそこ高額ですが、FLACでもDSDでも変換不要。ダウンロードしてそのままファイル管理できるのがメリットです。またAudirvanaには同じフォルダ内のブックレットを表示する機能があったり、iTunesよりも便利な部分もありますし、MQA対応しているので既存のDACでもMQAの高音質再生ができるというメリットもあります。ハイレゾ初期から存在する老舗ソフトですから安定性も問題ないでしょう。唯一、Airplayがうまく動作しないケースがあるようです。


7 おまけ:スペクトラムを見てみる

さて、こうやって苦労して購入したハイレゾデータ、聴くだけでも十分満足できますが、こんな遊び方もできます。それは、本当に額面通りのハイレゾかどうかのチェックとしてスペクトラムを見ること。macOS環境ならAudacityでのスペクトラム解析が定番でしょうし、時間軸含めて美しいビジュアルで見るならSpekというマイナーなフリーソフトが優れものです。巨大なデータのうち有効な音響データが入っている部分がいかに少ないか、という実態を目の当たりにすると少々複雑な気持ちにはなりますが。例えばこんなだと、DSD11.2Mなんていらないよなーと思ってしまいます。



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