カメラのセンサーサイズを紙と定規とEXIFで計算してみよう

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ふと、昔のスマホのカメラのセンサーサイズを知りたくなりました。

写真のEXIFには書いてありませんし、EXIFからだけでは計算できません(35mm相当の焦点距離がないタイプ)。メーカーの製品情報にも載っていません。だいぶ小さいセンサーのはずだが...と気になり、どうにか調べられないか考えてみました。

レンズの光学系はよく下の図のようにモデル化されます。


ちなみに、この図は「繰り出し量」が無視できる領域での、単純化されたモデルであることに注意。どこに対象物があっても焦点距離にあるセンサーに像ができるなら、ボケなんかないはず??? とか、焦点には光が一点に集まるから、像なんかできないんじゃない??? とか悩むことになるので。
像ができるのは「焦点」ではなく「+繰り出し量」の位置です。ここにセンサーがあるのがピントが合った状態。上の図から、Doutが大きくなる(青→緑→赤)「繰り出し量」が小さくなっていくことが分かります。極限としてDoutが無限大になると、式の第一項が0になるので、F=Din、つまり繰り出し量が0になります。また、青、緑、赤の矢印のように、物体の位置により像のできる位置が違います。センサーがあるのはどこか一箇所ですから、そこ以外に像ができると、ボケとなって現れます。


今回はセンサーサイズ数mmに対して、対象までの距離30cmくらいで十分大きいので、最初の図のモデルで十分です。最初の図で
L:物体のサイズ
Dout: 対象までの距離
F:焦点距離
S:センサーサイズ
とすると、小学校で習った三角形の相似から、
L / Dout = S / F
S = L / Dout * F
となります。いまSを知りたいので、他の3つのパラメータがわかれば計算できます。(※簡略化しない場合は、S = L / (Dout - F) * F )

Fは写真のEXIFにあります。


ではLとDoutは...? EXIFにはないなー...。うーん、そうだ!これは自分で測れることに気づきました。A4の紙に、センサーのアスペクト比に合わせて4:3(あるいは3:2)の矩形を書き(対角線がL)、それを写真いっぱいになるように写して、その時のカメラと紙の距離(Dout)を計れば、LとDoutが(まあまあの精度で)計測できます。


さっそく昔のタブレットで撮影。その時の紙までの距離は28cm、対角線の長さは35cmでした。これより、
S = L / Dout * F = 35 / 28 * 2.78mm = 3.48mm
この数字を調べたところ、どうも1/5型のセンサーのようでした。そんなに小さいセンサーがあったんですね。知りませんでした。ちなみにTG-630でやってみたら、センサーサイズの横が約6.1mm、これは1/2.3型センサーでカタログ通りです。P8maxは4.6mm。これはほぼ1/3型。あっているようです。

何かの役に立つ内容ではありませんが、自分で撮った写真と、定規と、EXIFだけから、スマホやデジカメの中にあるセンサーのサイズが分かる、というのが面白かったです。

※レンズの世界は奥が深いので、このモデルであっているのかちょっと不安。RX100やE-M5,GXRなど、センサーが大きくなると、センサーサイズが小さめに計算されたので。どこかにまだ何かあるのかな? そもそも距離の測り方がいい加減だからかも知れませんけど。

参考文献
知っておきたい撮影レンズの基礎 - 東芝テリー株式会社 (PDF)
カメラと光の話
画像(イメージ)センサー・(CCD・CMOS)の大きさ比較
Huawei P8max - Specifications


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