津波災害 (岩波新書)

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書店の特設コーナーで手に取った「津波災害」。まるで今回の大震災の津波を予見していたかのような内容です。
出版のタイミングが昨年末なのは偶然として、世界/日本の津波災害研究に基づいて、大津波がもたらす被害のメカニズムについて述べられています。まるで予見していたかのように感じられるのは、大自然の前に昔から同じことが繰り返されているからでしょう。津波の発生自体は予知できなくても、いったん発生すればほぼ本書に述べられている事態が起こることは分かっていた、とも言えます(さすがに原発事故まではカバーされていませんが)。
しかし、津波発生後の被害の大小は事前の備えで大きく変えられるので、その意味でも本書を読んでおくのは悪くないでしょう。特に「もしも東京に大津波が来たら...」の章は、都内在住/勤務の方には切実な問題と思います。これまでは切迫感がありませんでしたが、東日本大震災の発生を経験した今、東京でも十分あり得るという認識に変わった方も多いのではないでしょうか?
単に自然科学的な津波の原因分析ではなく、防災の観点から社会が備えるべきことが広くカバーされているので、一読の価値ありと思います。

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